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エンジニアがチームで価値を発揮するために気をつけたいこと

この記事は、はてなディレクターアドベントカレンダー2016の17日目のエントリです。(昨日は id:daiksy の『嫌われない勇気』でした。)

id:motemen です。過去には立ち上げ期の Mackerel チームのディレクターをしていましたが、当時のことは 過去の記事 にあるとおりで、あまりディレクターとしてほかに書けることもないので違う話を。

今年のはじめごろに エンジニアの専門性を伸ばすためにディレクターに気をつけてほしい3つのこと - Hatena Developer Blog という記事が書かれましたが、これはディレクターからエンジニアに向けた話だったのでこれの逆バージョンを書いてみようと思います。

先に書いておくと、ぼくは新卒ではてなに入社し、ディレクターの id:nmy さん(アドベントカレンダー最終日)や id:chris4403 さん(アドベントカレンダーのエントリ)のもとアプリケーションエンジニアの一人として(当時はそれほど数もいなかったこともあって)、それなりに重宝されながら働いていました。当時は若者特有の万能感でもってバリバリ仕事をこなしていた……ように思っていたような気がするんだけど、いやー今思い返してみるとかなりの寛大さをもって許されていたのだな、と思うばかりです。自分があまりに近視眼的な仕事ばかりして満足していたのは、当時ディレクターとしてチームをまとめていた人たちが足りない部分を埋めてくれていたからだったんだ……って気づいたのは数年経っていろいろなチームを経験してからの話。

これはそういう過去の自分への戒めでもあり、はてなでいえば2年目あたり、会社での働きかたにも慣れてきたなって思えるエンジニアに気をつけてみてほしいことでもあります。

ユーザはどこにいるのか

ぼくたちエンジニアはたまさか技術というものを持っているから、それを日々の仕事として、少なくない時間をかけてお金を稼いでいるわけだけど、そのお金はユーザに何らかの形で価値を提供していることから出てきている。ウェブサービスやスマートフォンアプリで生計を立てている企業の一員として、この最終的に価値を届けたい人のために何が必要か、というのを考えていなければいけない。

どんなに古くメンテナンスされていないコードベースでも、それがユーザに使われて喜びを与えている限りは、新しく美しいまだデプロイされていないサービスよりは100倍も価値があるのだって視点は忘れないようにしたい。

自分たちがやりたいことは何か

自分じゃなくて自分たち。エンジニアは手を動かして触れる対象が身近にあって、問題は探せばいくらでも転がっているので、やろうと思えば好きなだけ技術的に深追いできてしまう。それで何かがよくなることもあるけど、それが局所最適に陥ってしまうこともまたよくあることだと思う。

思いついた解決にすぐに飛びつく前に、いまいちど自分たちが何のためにチームを組んでいるのかを考えることが必要。エンジニアの仕事は問題解決であって、プログラミングではない。

エンジニアの殻に閉じこもっていないか

自分たちの作ったシステムが直接にでも間接にでもユーザに近いところで価値を発揮していること、システムなしではその価値が実現しないことをエンジニアは誇ってもよいと思うけれど、それは裏を返せばエンジニアがボトルネックになりうるということでもある。最終的な成果物というのは多かれ少なかれエンジニア以外の職種の手が入って初めてユーザに届くものなので、デザイナや営業やサポートや編集や企画、そしてディレクターといった職能の人々にエンジニアの仕事がスムーズに渡っていくように見守らなければいけない。そして彼らのために技術的な支援が行えるのなら、それを積極的にしていくこともエンジニアの仕事になるはず。

そういう意味ではチームメイトもエンジニアの顧客であり、チーミングの技術というものもエンジニアがカバーすべき技術のひとつに数えられるのじゃないかと思います。


はてなディレクターアドベントカレンダー2016、明日は id:shimobayashi です。

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